「マー坊の冒険」 ~ マイティーボーイ エアコン修理 その1
スズキのマイティーボーイってご存知ですか?
「あぁ~、マー坊のことね」って思ってしまったアナタ
アナタは私と同世代かも知れませんね(笑)
マイティーボーイは1983-1988年に製造されたスズキのピックアップトラックです
最近では街中で見かける機会が少なくなっているような気もしますが、個性的なスタイリングや独特な雰囲気で、旧車市場では実は非常に人気のあるお車なんです
今回はエアコン修理のご相談をインターネット経由で頂いていたお客様のマイティーボーイをお預かりする事になりました
こちらのお車は新車発売から既に20年を経過している事もあり、エアコンの修理を行うといっても修理部品が存在しません
メーカーであるスズキでも、補修部品のサービス提供期間はとっくに過ぎてしまっていますし、アフターパーツ市場にも対応可能なリビルト部品等はまず見つかりません
こちらのマイティーボーイのオーナー様もエアコンが壊れている状態でも、修理を行ってくれるお店が見つからず、半ば諦めたところだったとの事でした
そんな時に当店のホームページをご覧頂き、お問合せを頂いた事が今回の車輌お預かりのきっかけとなりました
当店でも当初
「修理出来るかどうかは現車を確認してみないと判りません」
とのスタンスでご対応させて頂いていたのですが、お車を拝見し、オーナー様のお車を大切にされているご様子に触れ、
「これは、ぜひとも修理しなければ!」
と云う気持ちに変わっていきました!!
…決して感情だけに流されているワケではございませんが^_^;
マー坊です
なんでマー坊って呼ぶかと云うと、新車発売当時のテレビCMで
『スズキのマー坊とでも呼んでくれぃっ!!』 |
とかってフレーズがあった為です
だからマー坊って呼んでます(笑)
こんなキャッチーな呼び名で親しまれている国産車っていまだに他にないのでは~!?
キュートですけど、トラックなだけにちょっとワルっぽい雰囲気もありますよね
まさにマー坊って感じですよね~~~
さて、エアコン不具合の故障診断を行ったところ
・コンデンサー不良(ガスリーク)
・エキパン不良(詰まり)
以上の2点が主な問題発生箇所である事が判りました
エキスパンションバルブとリキットタンクはお客様が部品をお持ちだったので、そのまま交換する事に致しました
問題はコンデンサーです!
部品がありません(涙)
バンパーの後ろに装着している前面にフィンがある構造物がコンデンサーです
画像の右下端部が他の部分より色が濃く(黒く)なっているのが判るかと思います
エアコンガスがオイルと一緒に漏れ出し、その油分に塵埃等が付着して汚染しているのです
目視でもガス漏れ箇所が確認出来てしまう位ですので、ガス漏れの度合いは大きい方です
コンデンサーに接続している配管も錆と腐食で駄目になっておりました
既にネジ山も潰れ、再使用は不可です
このコンデンサーを修理もしくは交換しない限りエアコンは正常に稼動しません
…大変です(汗)
お客様が心配していたコンプレッサーは問題なく使用出来そうです
エバポレーターにも漏れはなく、当座は修理交換の必要な無さそうだと判断しました
ただ、コンデンサーは致命傷です
リビルトメーカー、同業他社の在庫、流通ストックを含めてマイティーボーイのコンデンサー検索の旅が始まりました
コンデンサーを探しながらも、修理対応可能な作業を先に進めていきます
エアコンの室内側のユニットを取外しました
ユニットは助手席の足元の奥
に装着されています
画像はユニットを外した跡です
エバポレーターです
ユニットにパッキングされていたので意外にきれいです
この部品だけ、いずれかのタイミングで前オーナー様が交換を行った可能性も高いと思います
エキパンを新品に交換しました
「このカプラーは???」
またしてもちょっとした問題発生です
エアコンユニットにサーモセンサーに接続用のカプラーがあるのですが、車輌側にこの接続先がありません!!
う~ん、どういう事か!?
つまりこのエアコンユニット自体がそもそもマー坊用の部品でなく、流用可能な他の車種から流用したものだと考えられます
なので車輌側にセンサーを接続するサーモユニットがないのです
ないのなら作れば良いと云う事で、サーモスイッチを作成し、グローブボックス下に取り付けしました
あ、もちろんお客様には都度確認し、了解を頂いています!!
大切なマー坊を勝手に加工してはいけませんので^_^;
このスイッチの調整でエアコンの効き具合のコントロールが出来るようになりました
さて、懸案のコンデンサーです
あちらこちらと手を尽くして探した結果は、残念ながら駄目でした
どこにもコンデンサーはありません
そこで、残された方法は以下の3つです
1.現品を修理する
2.他車用の部品を改造する
3.あきらめる(涙)
2.他車用の部品を改造する
3.あきらめる(涙)
ここまで来て諦める訳には当然行きません
最終的な判断としては、「スズキ製の他の車のコンデンサーで、最も形状が似通ったものを探して装着する」との事になりました
もし適合する他車用のコンデンサーが見つからなければ現品修理する事を条件に…
続きは「マー坊の冒険 その2」をご覧下さい