倒立の達人

少し前の話、池袋のバーで飲んでたら、長身でガタイのいい男性とドレッシーな女性のカ
ップルが入ってきた


男性の方もビシッとスーツを着こなしているのだが、そのスーツの上からでも、発達した
筋肉の鎧がその全身を包み込んでいるであろうことが想像できる立派な体格である


正装のマッチョマン登場


夜のお店で他人のことをジロジロ見るものではないが、ついつい気になってその横顔をチ
ラ見していたら、その人物に見覚えがあることに気が付いた


端正な顔立ち、日焼けした肌、短く整えられた髪形


その人はとあるプロレスラーだったのだ


新日本プロレス出身の現役選手


テレビで見ていたあの選手が目の前にいる


思わず声を掛けたくなる衝動に駆られたが、ここは飲み屋


どう見てもプライベートで飲みに来ているのだろうし、しかも女性連れでもある


変なタイミングで話しかけて怒らせてしまい、ツームストンパイルドライバーでも喰らっ
たら、お酒の力を借りずに昇天してしまいそうなのでやめといた


とはいえ、同じ店の中に気になる人がいるとなると、なんだかソワソワしてしまいます


じっくり飲めない酔えません、みたいな


こんな気分になったのは、中目黒で飲んでたらいきなり自分の隣に席に大塚寧々が現れた
とき以来である


大塚寧々、きれいだったなぁー、なんであの時声を掛けなかったんだろう


また現れるんじゃないかと思って、そのあとしばらく中目黒のバーに通ってたけど二度と
会うことはなかったな


根津甚八さんには会ったけど


すんごい怖い顔してた


そんなコトを考えながら悶々としていたら、いきなり件の二人組が立ち上がって店を出て
行こうとしている


え? 早いな、来てからまだ30分も経ってないのに


どうやら次の予定の時間調整のために、このバーを利用していたようである


彼らのうしろ姿を見送っていると、彼女の方が先に店を出て行き、レジにて彼が一人で支
払いしている


これはチャンス


彼女がいない場面なら、声を掛けるくらいそんなに迷惑ではないだろう


酔いも手伝い勝手な思い込みから彼の元へ歩みを進めた


長財布に釣り銭を納めてる彼の肩越しに声を掛ける


待っているのはにこやかな笑顔か、はたまたカチ上げ式のエルボースマッシュか






「あの、すいません」


「はいっ」


「ファンです」


「はい、ありがとうございます」


「あの、握手を…」


右手をそっと差し出そうとした瞬間、やんわりとその手を制し、握手の代わりに彼が差し
出したのはなんと1枚の名刺であった




















イメージ 1

西村修


プロレスラーであり現職の文京区議会議員


彼の中では現在の優先順位は議員の方なのであろう


もともと生真面目なキャラクターをしていた西村選手だが、いまやすっかり議員さんの
たたずまいである


立て続けに名刺を2枚もらい、思わずこちらも名刺を差し出そうになったが、そんな名刺
を出しても仕方がないので思いとどまった


ほんの少し立ち話をし、呼び止めてしまった無礼をお詫びして握手をしたあと西村選手は
さっそうと店を出て行った


いや、西村先生か


彼が有名人の立場を利用して議員となり政治活動を行なっているのではないことは、本人
のブログを見れば良く判る


非常に勤勉で誠実に議員を勤めているのだ


なんだか破天荒な人間がやっているのがプロレスだっていうようなイメージがあるけど、
実際にはみんな生身の人間


ときには本当にヤバい選手もいるのかも知れないけど、西村選手のような人に接すると
普通の人間がやっているプロレスっていう興業に興味が湧いてくる


小さい時にマスクマンを追っかけて観に行ったプロレスや、大人になってからテレビ越
しに見たプロレスリングとは、きっと違うものがそこにはあるのではないか




















久しぶりにプロレスが見たくなった


総合でもシュートでもキックでもなく、プロレスが




















浦和のテクニシャンと言えば…
くるまの電機の事ならおまかせを!!
  [自動車電装のプロショップ]
  株式会社  小國電機工業所
当店商品、取付作業はYahoo!オークションに出品中です